フリーランスを経験して良かったこと、悪かったこと。

フリーランスを経験して良かったこと、悪かったこと。

フリーランスになって半年経ってこの世で一人ぼっちになったことに気付いて究極に失敗した | ウェブル

ブログ名が非常に親近感を覚えてやまないウェブルのそらいさんが
上記の記事をかかれたことでちまたでフリーランスが話題になっていたので
僕も少し書いてみたいと思います。

実際のところ3年間フリーランスをやってみたときに
良かったと思うこと、悪かった(大変だった?)と思うことを
少し皆さんにご紹介したいと思います。

■目次

▼良かった面

1.人との繋がりの輪が広がった

技術力が凄まじければ勝手に仕事が降ってくるかもしれませんが、
基本仕事は「人」からやって来ます。

ごく稀に、よくこんな制作力やデザインセンスで
フリーランスや会社やっていけてるなーって人や企業があります。

結局のところ、その会社に仕事を依頼する「人」がいるからなんですよね。

フリーランスになりたかった一つにもっと勉強会とかセミナーに
参加したいという思いもあり、独立後はそういう場に積極的に顔出しました。

そのおかげもあってかフリーランスの間、仕事には困りませんでしたし、
分からないことがあれば相談できる人もたくさん知り合いになれました。

なによりも人の繋がりを感謝したのが
前の会社が倒産した時、心配してくれて電話かけてくれたり
よかったらうちにくる?なんて言ってくれる人がたくさんいたことです。

人との繋がりはいろいろなチャンスの入り口です。

それは仕事だったり、自分の転職だったり、
尊敬する相手だったり、同じ目標を持つライバルだったり。

自分という存在は周りにいてくれていた人によって
「成り立っていた」
と凄く感じることができました。

2.自分をより見つめ直すことができた

今思えば自己分析をよくしました。

自分が何ができるのか、何がしたいのか、
今のままでいいのか、将来何がしたいのか等々。

もちろんフリーランスになる前から考えていましたが、
いざなってみるとより考えるものはたくさんありました。

フリーランスになってから営業活動、経理、制作、経営、健康管理など
すべてを自分でやることになります。

多くのことをやる反面、
自分はこういうのが得意なんだとか、こういうのは苦手なんだとか
成功する傾向や失敗する傾向やパターンが
会社員の時よりより明確になりました。

それゆえに自分が足りない部分を自覚し、
カバーしたり、人に任せたりなどより自分に対する
リスクヘッジができるようになった実感があります。

フリーランスは収入や休みなどすべて自己責任ゆえに
日々の過ごし方を少しでも「意味」ある有意義なものにしようと努力しました。

3.平日を自由に使える

世の中の多くの人が平日の日中会社に勤めている中、
どうどうと自由に動けるフリーランスは非常に大きな意味があります。

週末に行けば人が多くて大変な場所も
平日に自由でいけたりはもちろんのこと、
平日開催のセミナーやイベントにも参加できます。

なによりも世の中の人たちが「仕事中」の状況下で
「自由」に動けるといういうのは相対的な意味で物凄い優越感を感じます。

僕も独立した最初の日、普段の出社時間を過ぎてもなお
自由な時間を過ごせることを感じた時は物凄い不思議な感覚で
フリーランスになったんだーと思える始まりの瞬間でした。

この不思議な感覚はずっと辞めたかった会社を
辞めた次の日とかに経験した事がある人も多いかもしれません。
なんというかあの清々しさは今でも思い出せますw

お昼は知り合いの会社に出向いて
一緒にランチー!明日はあっちの会社とーとか凄い楽しいですよ!

4.コスト意識

普通の会社員の多くが意識できてないのがこの「コスト意識」です。

自分がやる行動全てが自分の収入に関わってきます。

そのため無駄遣いをしないようとか、
自分が欲しい収入を得るためには一日いくら分稼がないといけないといった
「行動」に対するコスト意識を自然と持つことになります。

単純な例でいうと
5,000円の仕事に打ち合わせ5時間してたら時給1000円で
アルバイトみたいな給与になっちゃいますよね。

さらに言えば1万円で受けた仕事を1日かけてやってたら
案件的には人件費を差し引くと赤になりますよね?

このように自分が今やっている作業が
いくら費用が掛かってるのか自然に考えるようになりました。

会社員になってもなおこの意識を持てていることで
予算に対する作業の費用対効果とかそういうこと考えて
力の入れ加減を仕事に活かすことができています。

得にこういう考え方は会社で給与を払う側の立場の
役員さんなどから歓迎されますよ(笑

また人を雇うことの大変さを学ぶことができました。
一時期数ヶ月ほどですがアルバイトで2名ほど雇っていましたが
未経験者に仕事を教える大変さや
同じ額を払い続ける大変さを身をもって知りました。
世の中の経営者さんは本当に尊敬しますね!

5.ひとりの経営者として

フリーランスといえど、ひとりの経営者として
企業の経営者と対等な立場で話ができる機会が多くありました。

これは決して会社員では考えられないことでした。

特に経営者の方々は
「将来のビジョンは?」とか
「会社でこういうことがあって」とか
話を聞いていると「あ、もっと頑張らないと」と思うような
モチベーションが上がる話をたくさんしてくれます。

若いというだけ応援してくれる経営者さんや、
色々なおいしいお店に連れていってくれたり、
ひたすら大事な事を学ばせてくれる師匠みたいな人もいました。

最初はあくまで制作者としての独立でしたが、
「一人の経営者」なんだなと実感することで
より広いことを学びたいと思ったり、自分のビジネスについて
深く考えるきっかけになりました。

そして今僕は次に独立するときはクリエイターというよりも
経営者としての独立をより意識するようになっています。

これは少なくとも自分にはプラスに働き、
日々のモチベーションに役立っています。

悪かった面

1.収入が不安定

これは思った異常に精神的に大きな部分を占めます。

通常受託制作では
仮に4月1日にサイトが公開されリリースされましたとなると、
請求が4月末、支払いが翌々月20日払いとなると
そのお金が入ってくるのは6月20日です。

つまり仕事が終わった瞬間にお金が入ってくるわけではないため、
収入のタイミングのバランスを維持するのが大変なのです。

今後3ヶ月間入金予定がなく、今手持ちの仕事も無い….
そんな状況になったとき、ヤバイ!と誰が見ても分かりますよね^^;

これがとても厄介なのが
無意識な「ストレス」になることです。

収入がたくさん予定があるなら
気持ちもハッピーになるかもしれませんが、
全然入金予定がないと凄くテンションが下がったり、
モチベーションが下がり、仕事のクオリティも下がるなど大変です。
ひどい時には健康にも影響がでますね。

恥ずかしながらミスって一時期ほんきでお金がないときもありました。
その時は嫁(当時は彼女)が助けてくれたのですが本当に恥ずかしい限りです。

こういう状況下でも気合いで乗り越えていく
ずぶとい神経がフリーランスには必要なのです。

※収入が不安定を解決した記事を書いたのでよろしければ御覧ください。

 

 

2.モチベーションの維持

フリーランスは全て「自由」です。
この自由というのは何をしてもいいということなのですが、
意味を履き違えて楽な道を選び過ぎるとあとで窮地に追い込まれますw

収入も健康も仕事内容もすべて自由が故に「自己責任」なのです。

会社員など縛られている立場であると
いかに「自由になれるか」なんて楽になる方法を考えますが、
逆にいざ自由の身になってみると、いかに「自分を縛るか」を考えなければ
仕事の効率が悪いとフリーランスになってみて初めて実感します。

会社員であれば出社時間があり、昼休みがあり、定時がありますし
定休日、有休、給料日、オフの日など何かと色々なものが区切られています。

フリーランスだと自由がゆえに、これらの縛り(メリハリ?)を自分で作らないと
身が締まらなくて仕事の効率が悪いのです。

特に自宅で仕事をしている場合は
目の前にすぐベッドがあったり、マンガがあったりなど
誘惑が多かったりしますがこれも自分が意識的にシャットアウトする必要があります。

いかに自分がやりたいこと、やらなければならないことを
意識して集中する努力を日々していかなければなりません。

昼間で寝てても深夜に作業してても自由ですが、
変な生活リズムで家からでる回数が少ない生活をしてると
どんどん人としての「生気」が失われていく感じがしましたw

2ヶ月ほど家の近所の買い出しぐらいしか外にでなかったら、
久々に人と対面でしゃべる時に 呂律が回らなかったり、
ビジネスマナー忘れまくってたりとか超落ち込んだ時がありますorz

やはり適度に外出し、自分のやりたいことをやり、
仕事とは関係のないことに触れ、健康的な生活リズムで・・・
みたいなのが理想なのですが、これを維持するのが大変なのですw

3.信用

フリーランスは社会的信用は会社員に比べてやや低いです。
それは収入が不安定がゆえなのですが、
場合によってはマンションの契約が通らなかったり、クレジットカードが作れなかったりします。
※近年昔よりは状況が良くなっているようです。

僕の場合で言うと、今住んでいる大阪府の補助がでているマンションに住む際に
審査で会社員であれば源泉徴収を提出するだけで住むのですが、
開業数年のフリーランスということもあって、非常に沢山の書類を作成して出すはめになりました。

これが結構時間を食ったのですが、
その間仕事ができない分数カ月後の収入に大きく影響するわけです・・・(汗

また古い中堅~大手企業はやはり
取引を信用ある会社としたがる傾向にあります。

会社でさえ場合によっては帝国データバンクの情報によって
取引ができないとう話さえありらしいですね。

もちろんこれも相手の役員の立場から考えると、
何か問題があったときにそいつ一人で責任とれるの?ってなりますよね。
問題起こして逃亡しちゃう人も少なからず居たので
そういう意味でも経営者としてのリスクヘッジの一つですね。

仕事によっては僕個人に仕事を振るために
とある企業が窓口となって受けるというパターンもありました。
もちろん仲介になった企業にも責任が発生するのでマージンは持っていかれますが
より大きな仕事をできる1つとしてチャンスとしてそれもありですよね。

4.フリーランス=自由ではない

さっきまで自由自由いうておいて
突然「自由じゃない」とかいいだしてスミマセンw

有名な(だと思うんですけど)ビジネス書である
本田健さんの「ユダヤ人大富豪の教え」という本の中では

「自営業者が一番自由人に遠い位置にいる」

みたいな事が書かれています。

会社員から見てフリーランスは自由に見えますが、
本当に自由というのはどんな事をしても支障がないレベルのことです。

自分が好きなときに好きな仕事を好きな人とし、
何不自由なく好きに生活していける。
さらに言えば自分で働く必要がなくて生活していける。

こういうのが本当の「自由」であって、
フリーランスというのは逆に本来の仕事以外にもたくさんすることが増え、
とても「自由」ではないんですね。

名前に「フリー」なんてついてるから
そういうイメージになるのは仕方ないんですがw

人によってはフリーランスになることで得た
「自由さ」を上手く生かして本当の自由になる人もいますし
選択を間違えて「不自由」になる人もいます。

■最後に

フリーランスがいいか悪いかはその人の性格や環境に大きく左右すると思います。

一つの傾向でしかありませんが、
コミュニケーション能力・・・と一言で片付けれるほと簡単なものではないですが、
物事を上手く収拾できない人や口数が極端に少ないような人は
比較的気がついたらフリーを辞めてたり、問題起こしたり、
ドロンしてた人が多かった印象はあります。(まぁケースバイケースですがw)

向き不向きはあるかもしれませんが
安定した職場が幸せとは限らない世の中ですから
一つの道としてチャレンジしてみる価値はあるかもしれませんね。

■オマケ

僕の場合たまたま独立したての時に
フリーランス歴が長い方と仕事する機会があり、
その方から仕事の進め方や考え方、デザインなど教わる機会があり非常に勉強になりました。

ちょっと困った時は相談にのってくれたり、
制作した成果物に非常に厳しい意見を頂けたり、
おいしいお店やおしゃれな家具屋さんに連れていってもらったりなど
可愛がってもらえ今でも仲良くさせていただいてます。

フリーランスになると本当に独り身ですから、
仕事を通じて褒めるも怒りもしてくれる師匠見たいな人に出会えることができたのは
非常に運が良かったと思います。

過去記事紹介

過去に書いたフリーランス関連の記事です。

フリーランスになる準備をしよう!独立前に知っておいてほしいこと。
※ブクマ1600オーバーありがとうございます!

フリーランスの時にやっておけば良かったと思う5つのこと。
僕がフリーの時のしてなくて後悔した点

P.S.ここまで勢いで書いてみて技術とかよりも
やはり「人」に関することが大きいと僕も改めて実感しました。

Bio

カッシー(樫本祐輝)

株式会社クリエイティブユニバース代表取締役。
クリエイターはもっと幸せになってもいいんだ!と「クリエイティブな人に幸せを」を理念に活動。

2017年に法人化。現在は事業戦略クリエイティブ・プロデューサーとしてコンサルや、クリエイター・フリーランスギルド「TheCreative」を主宰。大阪東京合わせて80人を超える。フリーランスカレッジ、クリエイター200人祭りなど主催。

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