こんにちは、カッシーです。
2017年に開催したクリエイター祭りでゲストコメントを頂いたベルリン在住のイラストレーター高田ゲンキさん(@genki119)の書籍が発売されました。
「フリーランスで行こう!」はThinkITの「ライフハックで行こう!」で連載されていたものに修正・加筆され書籍化されたものです。
結論から言うとイラストレーターに限らずフリーランスを目指す方にはめっちゃオススメな本です。ぜひ手元において定期的に読みたい一冊。
僕が本を勧める時は万人向けかつ普遍的なものじゃないとあまり薦めることありませんが、これは本当に良い一冊と太鼓判を押しておきましょう!
僕もそこそこ変わった人生を生きてきてますけど漫画の主人公みたいなドラマがあったわけではなく淡々とした感じなのでゲンキさんのようにチャレンジングな生き方は面白いなーと羨ましいです^^
それではいってみましょー!
フリーランスになりたい気持ちをめっちゃ勇気づけられる一冊
この本を読んで感想をまとめるなら
「勇気を貰える本」
この一言につきます。
かれこれ2012年からフリーランス支援を続けていますが昔に比べるとフリーランスという言葉も認知され、コワーキングや会計サービスなど充実し、ぐっとフリーランスが身近な存在になったのは間違いありません。
とはいえフリーランスと言葉は手軽に感じても実際には個人事業主として独立するわけです。間違いなく簡単なことではありません。
一度フリーランスの立場になった方なら分かりますが、会社員時代は「これだけやってこれだけの給料かよ・・」と思っててもいざ独立したら
・営業して仕事をとってきてくれ
・作業環境を与えられ
・請求や入金管理をしてくれて
・収入の申告や保険・年金は会社が全部やってくれて
・毎月決まった日に給料を振り込んでくれる
などなどフリーランスになると「会社では他の人がこんなにも面倒なことやってくれていたのか・・・」と感じます。(最近僕も法人化したので余計感じる)
実際に「イラストで仕事したい!」と思って独立しても作業以外にたくさんやることがあるのでやはり簡単なことではありません。
自由というのはひっくり返せば全て自分で決めて考えて行動するということです。フリーランスは決断の連続なのです。
この本は、自分の好きなこと、思っていることに行動し、失敗したり成功したりという経験談がたくさん含まれてるので面白くも学びある本です。
本の内容にもありましたが「フリーランスになりたい」なんて言えば周りの普通の人の反応は「やめとけ!大変だから」なのは普通でしょう。
でも…それでも…私は独立したいんだー!
って人にこの本は勇気づけられる本なんです。前置きが長くなりましたが僕が印象に残ってる部分に触れていきましょう。
交渉の必須知識!立場的にあちらに非があるのに交渉が通らない場合の対処法
「フリーランスで行こう!」に何度か登場するのですが、めちゃくちゃ大切な交渉の鉄則がマンガには登場します。
それは「2者(社)間で交渉が難航するときは第三者を加える」方法です。
ビジネスとはいえ大半は感情論で物事は進んでいくのですが、やはりでるところでたら結局どっちが悪いかは白黒はっきりつくのです。
例その1:司法書士と相談して内容証明を送るのをほのめかすシーン(142P)
例その2:発注元のさらに上にい会社に連絡ほのめかすシーン(168P)
いや、ここめちゃくちゃ重要なことなんですよ。
何度も言いますけどココめちゃくちゃ重要なんですよ(涙)
実際裁判などは両者ともにお金も時間もかかるためできれば避けたいものです。
システム案件とかで何千万円みたいな案件ならともかく、フリーランスのクリエイターであればせいぜい数十万のケースが多いはず。弁護士費用とか考えると泣き寝入りパターンは当然あるんですよね。
しかしビジネスは感情論ではままなりませんので、やはり白黒つけれるところはつけないといけません。こういったトラブルを回避するために覚書や契約書、口頭のやりとりはメモを残して相手にも共有するなど自衛することを踏まえた動き方をしましょう。ストーリーでも触れられていますがでるところでたら(168P)強いほうが最終的に勝つ可能性が高いです。
・記録をすること
・それを相手にも共有すること
をクセづけておくと、理解したことが間違ってないか相手ともすり合わせできトラブル回避や、記録として残るのでいざという時に役立ちます。もめた時に言った言わんみたいな喧嘩は不毛すぎるのでトラブル時の動き方はちゃんと知っておく必要がありますので高田ゲンキさんのこのストーリーはかなり重要です。
失敗したくなければ最初に営業しまくろう
ストーリーでは営業してないから仕事が待てども待てども全然来ないというシーンがあります。
コネが少ない、仕事の見込みが無いという方ほど可能な限り最初のスタートダッシュで色々な企業に営業をいくことをおすすめします。
なぜかというと、多くの方は経験した会社の数はせいぜい1~3社程度でしょう。
様々な業種・業態の企業側の意見を聞いていくことで新たな働き方や市場を見つけることができるからです。
もしかしたら自分が思いもしない仕事の話や単価に出会うこともあります。つまりは自分の仕事はどんな人がどんな理由で求めているのかちゃんと自分の目や足で知って行くことは一種のテストマーケティング・市場調査なので大切です。
仕事が来ないという人に限って聞いてみると自分のことを知ってる(どんな事ができてフリーで活動してると認識されてる)のが3~5社ぐらい・・・なんて全然認知されてなさすぎる人に限って仕事来ないと愚痴ってるケースが目立ちます。
ちょっと知り合った数社で仕事が回るのはそれだけの積み上げをしてきた方なので、コネがない人はまずはガンガン営業して認知を増やし、どんな需要があるのか知っていきましょう。
企業側も良い人材と出会いたいという気持ちはありますので大丈夫。
ポートフォリオや実績を送って門前払いを食らう場合は「この会社では会ってもらえないレベルなんだな」と情報を一つ手に入ったと思ってどんどん次に行きましょう。
ストーリーにもありますが、ある出版社にいくと批判されたのに別の出版社にいくと絶賛されるシーンがあります。出版社一つにとっても男性・女性向け、若者向け・年配向け、クール系からポップ系まで企業にも色があります。自分の持っているスキルや世界観を良しとしてくれる場所を見つけるようにしましょう!
ただ、もしも可能であれば少なからずマーケティングを勉強して自分に仕事が来る仕組みづくりなどしてから独立するのがオススメではありますが、まずは生活費ぐらいは稼がないとまずいので一から信用を作る必要がある方はガンガン営業しましょう!
なんとか生活を死なずに営業し続けて一年ぐらい過ごすと、気がつけばあなたも「口コミで仕事くるし・・・」って状態ができあがっていきます。
フリーランスになりたい人に本当に必要なのは確定申告とかじゃなくて壁の乗り越え方
独立のセミナーなど開いていると開業手続きや確定申告などよく聞かれます。しかし独立したあとの人からはむしろそういった質問は全然こなくてよく来るのは
・営業がうまくいかない・・・仕事の獲得はどうしたら・・・
・収入が低いし安定しない・・・どうしたら高単価に・・・
・体調崩した・・・自己管理方法は・・・
・チームどころか信用できる人ってどうやったら作れるの・・・
みたいな相談が来るんですよね^^;
残念ながらセミナーや本・ブログなどでは自分の課題にぶつかった時の
「壁を超える温度感」
を伝えるのが難しいのですが、「フリーランスで行こう!」はその辺マンガという特性を生かして課題からの解決の流れをうまく紹介されてるなーと読みながら感心していていました。
本の中でも
・バーで飲んで相談する
・師匠的な人に話を聞く
・海に向かって叫ぶ(あまりないかな・・・)
・屋根の上に登る(あまりないかな・・・汗)
などなど自分のスイッチを変える機会があったりします。
ある意味これからフリーランスになる人に一番身につけて欲しいことはこの
「壁にぶち当たった時にどうにかする能力」(問題解決能力?誰かこれに名前があったら教えて・・・・)
知識やスキルや自己管理方法などノウハウ系は色々ありますが、
問題に対してどういう対応をするかはシンプルに人生を生きる力として優秀かどうか問われるところです。
ぶっちゃけ東大生だろうが大手キャリアがあろうが独立して全責任を自分で背負いながら進んでいくにはこのサバイバル力はとても重要です。
自分のフリーランスというビジネスを継続していくために、できる限りのこと、試せれる限りのことをやっていきましょう。
著者のゲンキさんは尊敬する人や専門知識がある奥さんに協力してもらったり、悔しさをバネに乗り越えてますが、壁の乗り越え方は人ぞれありますので自分の必殺のカードを過去の成功体験などから見つけていくと良いいでしょう(自分ですべてを抱え込むんじゃなくて家族や友人など頼れる人がいることも含めて!w)
フリーランスの魅力も大変さも感じれる良い一冊
正直なところこの本を読んで「大変だけど面白そう!」って感じる人はフリーランス向いているかもしれません。逆に「自分が同じ状況になった時頼れる人や知識が無いな・・」と思う人はまだまだこれから色々な経験をしないといけないフェーズなのかも。
特にクリエイターは低収入な方も多く、業界的にも課題は山積みです。僕がオススメしてるラインでいえば30歳になってまだ収入が月30万に満たない人にはチャレンジも含めて転職や独立してリスク背負っていくことをオススメしています。
フリーランスになって僕も幸せだなと思えたことは
自分の性格ややりたいことに合わせてどんどん生き方を最適化できることです。
・家が欲しい。じゃあもっと稼がなきゃ。
・子供が生まれた。じゃあ時短の働き方にしよう。
・営業めんどい。じゃあWebから仕事くるようにしよう。
・フリーではやっていけない。一旦就職しよう。
などなど状況に応じた小回りが効くことが非常に大きいです。
(余談ですが僕が法人化したのは小回りよりもやりたい集中したいことができたため)
この先日本もどうなっていくか将来分からない時代だからこそ、人生のサバイバル力を鍛える上でもフリーランスという経験は貴重だと思います。ぜひとも一旗あててみようぜ!って方から子供や健康のことを考えて働きたい人まで選択肢の一つとしてフリーランスを考えてもらえるのは良いかなと思います。
「フリーランスで行こう!」はこれから独立するクリエイター、海外移住したい人、イラストレーターになりたい人など多くの人に勇気を与える一冊に仕上がっていると思います。
フリーランスがいい、会社員がいいみたいな0か1かみたいな話ではなく、自分で自分の人生を歩んでいくんだって気持ちを持った人にぜひ手にとって欲しい、そんな本です。
別にフリーランスになったからといって死ぬわけではないので、(その経験を元に転職してもOK)自分の人生、一度はチャレンジしてみたい方はぜひこの本を手にとって見てください。
最後に
↓自分の漫画だと画像引用しやすくて嬉しいですw pic.twitter.com/a6gWL8kjMy
— 高田ゲンキ@『フリーランスで行こう!』発売中! (@Genki119) 2018年8月27日
安定よりも、チャレンジ、変化を望む人生を求める人にぜひぜひ^^
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