“営業”が苦手なフリーランスやクリエイターは「マーケティング」を学ぶと良いかも?

こんにちは、カッシーです!

フリーランスのセミナーをやっていると質問が多いのが
「どうやって仕事を手に入れますか?」という質問です。

「私は営業は苦手でして…」
「仕事は欲しいけど、クラウドソーシングでやすい仕事しかできない…」
「スキルがまだまだ未熟だから自信持って売り込めない…」

という方にこそ
クリエイター向けのマーケティング入門と思って
今日この話を聞いてほしいと思います。

※2015/02/12 それでもやっぱり悩むという人のために記事を書きました。
記事:フリーランスで営業(仕事の獲得)ってどうしたらいいの?に真剣に答えてみた。

ここでは僕の身の回りに多いWebクリエイターを例に話しますが、
仕事を獲得する上で「営業」は勿論大事なんですが、
それよりもまず学んで欲しいのが「マーケティング」なんです。

マーケティングってモノの売り方とかだよね?とか、
そんなこと学んでたらメインのスキルが厳かになるよね?とか
思ってしまう方にこそぜひ読んで欲しいのがこの記事です。

それではいってみましょー!

目次
・ここで定義するマーケティングとは?
・クリエイターが営業が苦手な理由と価格競争
・自分という商品をマーケティングしよう
・どうすれば自分をもっと生かされるのか考え抜こう!
・クリエイターとお客のすれ違い
・価格競争の仕組みを理解しよう
・マーケティングで培って欲しいのは”商売人”意識

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■ここで定義するマーケティングとは?

マーケティングというと売り方とか集客とか「手法」に目が行きがちですが、
僕はどちらかというと「思考」という考え方をベースに話を進めたいと思います。

クリエイティブ思考が、良いものを作り上げていく上の思考だとすると、
マーケティング思考は、誰にどういうアプローチで届けることで
効果が発揮されるかという思考をしていきます。

クリエイターで営業や価格競争で悩む方々の多くは
良い物を作ろうと努力はしてるとは思いますが、
それが「良いものだ」と相手が受け取って満足できるところまでの”アプローチ”や”相手の印象”までのデザインができていないケースが多いんですね。

実はそもそも根幹にある「良い物を作ろう」という意識と、
「相手に良いものと思ってもらおう」という意識は
それほど違いがあるものだとは僕は思っていません。

要は内側の核となる「モノ」のデザインと、
外側の「アプローチ」「伝え方」といったデザインの違いなので
結果として目指すべき場所は「いいものを作って認められたい」という努力には変わりないと思います。
※もちろんその上で結果を保証できるならなお良しです。

■クリエイターが営業が苦手な理由と価格競争

クリエイターの多くは「営業が苦手」といいます。
恐らくそういった方の多くは
「売れないものを無理やり売り込む」
「人間関係を作るために付き合いを増やす」
などなどのイメージが強いんではないかと思います。

気の利いたトーク力も無ければ
人脈も無いと嘆く人も多いでしょう。
デザイナーのように視覚優位性の多い職業の方は
聴覚が優先される電話などに苦手な意識を持ってる方も多いはずです。
また人とのコミュニケーションよりもパソコンに向う仕事をしたくてそういった道を選ぶ人もいます。

そしてクリエイターの多くは「良いモノ」を作りたいと考えています。
しかし、今日の価格競争はクリエイターが作る「良いモノ」の価値がお客さんに伝わっておらず、結局依頼者に振り回されるケースは非常に多いのが現状です。

営業は10の価値を100にできるトーク力があるとすれば、
多くのクリエイターは、100の価値をキチンと伝えきれず50とか30とかになってしまっています。だから「これだけやったのでこれだけ欲しい」というても安い金額になってしまいます。

だって相手からしたら50や30の価値しか感じていないから…

また、クリエイターは比較的受け身が多く、謙虚な方が多いです。
そんなにガツガツ自分の作ったものをアピールするクリエイターさんは
少なくとも僕が会ってきた中では非常に少ない印象です。
逆に営業経験やディレクションがあるクリエイターさんは独立してもやっていけそうな安定感はあったりします。

たまに営業の方がクリエイターには営業スキルが必要だと言いますが、
僕はその前に”マーケティング思考”を身につけるべきだと考えています。

それはどうしてかを説明していきたいと思います!!

■自分という商品をマーケティングしよう

「フリーランスクリエイターの営業ノウハウ」なんて専門書は売っていませんよね?
でもそこで諦めず、発想の転換をしてみると良いと思います。

本屋を歩くとマーケティングの棚に行くと
「100円コーラを1000円で売る方法」とか
売上を10倍にする方法とかどうすれば売れるのかというノウハウ本はいくらでも売られています。

ここで考えてみて欲しいのが、
フリーランスのあなたも「1つの商品」であること。

自分ができるWeb制作だったり、デザインだったり、プログラムだったり、
コンサルティングは、あくまであなたという商品に紐づくサービスなのです。

自分を一つの「商品」だと置き換えてみると、
自分を売り込むための手法は何千と存在することになります。

別に同じようなことはできる人は山ほどいる中で、
どうしてあなたに仕事をお願いしないといけないのか?

マーケティングではUSP(Unique Selling Proposition)という言葉があります。
ざっくりいうと「あなたならではの売りは?」みたいな感じですが
もう少し分かりやすく考えると「あなたに頼まないといけない理由」みたいなものです。

多くの人はWebサイトが作れます!デザインできます!絵を描けます!
そんな人々が山ほどいる中であなたらしさは一体何なのでしょうか?

特定の分野に秀でている?
会社が喉から手を出したくなるノウハウを持っている?
会社から近くて相談に乗りやすい?
値段が他の人よりも安い?
安心して仕事を任せられる安定感?

こういったユニークさを持っていないと、
当然他の人でも良い仕事しか自分には回ってこなくなり
結果的に価格競争の激しい世界で競争をするはめになります。

また、間違えてほしくないのはUSPはスキル以外にもいくらでもあることです。
家電が安く買えるならAmazonがいいかもしれませんが、
そもそも何を買ったらいいのか分からない人はヨドバシとかに行って相談したほうが良いでしょう。

また、そもそもヨドバシにも足を運べない・パソコンも触れない老人は近所の電気屋さんに頼ることになります。

もうちょっとWeb業界っぽい話をすると
別に他に安くて良い物を作れる人はいるかもしれないけど、
案件を受けると社内に常駐とかしてくれるフリーランスの方とかいると
細かい対応しやすくて助かるーなんて話もあります。

僕の例で言うと僕はデザインxプログラムxマーケティングの理解があるので
それぞれの分野の橋渡しをすることも出来ますし、
企業で経営者と制作者との間を調整することも得意です。

現在はIT/クリエイティブ顧問なんてしてますが、
顧問先の会社にクリエイターを育てるといったことができるので
企業に制作以外でも貢献できたり、とりあえずネットでググるより
カッシーに聞いたほうが早いなというようなポジションを持てています。

話の風呂敷が広がりすぎてますが、ここで言いたいのは相手にそのUSPになるだけの価値が伝わっているか、伝えているかということです。

どのように作り
どのように相手に伝え
どのように使ってもらったら自分にとって理想なのか。
それぐらいトータルでのデザイン意識を持つことが必要です。
それが結果的にマーケティング的な思考になっていきます。

会社で以下のような光景を目にしたり、電話がきたりしてませんか?

「複合機いりませんか?」
「ホームページ作りませんか?」
「SEOで集客アップしませんか?」
「くだものいりませんか?」
「ウォーターサーバー置きませんか?」
「生命保健入りませんか?」

こういった大変そうな営業を皆さんは見たことがあると思います。
もちろん、彼らはもう過剰な市場で物を売ろうとしてるので
よほどドンピシャじゃない限り「欲しい」と思わないようなものですが、
こういった場当たり的な営業はやる側も受ける側も辛いですよね?

そうではなくて、
話しかけられた時に
「お、良さそうだな」「興味がわくな」「おもしろそうだな」などなど
相手を引き込んでいくための「戦略」があってから営業をしないと、
欲しいと思わない人が多い環境で営業をするはめになったり、
仕事につながっても単価が見合わなかったり、
ライバルが多いレッドオーシャンでの戦いになったり様々です。

多くの人は自分という商品が売れるイメージもできなければ
戦略も考えておらず、とりあえず参加が楽で競争が激しい他にも人がたくさんいる
場所で戦おうとするから大変なんです。

■どうすれば自分をもっと生かされるのか考え抜こう!

自分のスキルがどこでどういう風に使えば
効果を発揮できるのかを意識していない方が非常に多いのです。

例えばWEB業界は結構同業種での交流は多いですが、
異業種の交流会に参加される方は非常に少ないです。

私はスキルには自信がなくて・・・という人も
場によってはそもそもWebサイトを作れるだけで凄い!と発注してくれる人に出会えることもあります。
もちろんリピートしていくためには対応にも制作物にもクオリティが求められますが、それでも受注しないとそういった本来の価値を伝えることはできませんのでだからこそマーケティングや営業といった力はお金の入口になる以上大事なノウハウなのです。

もし、マーケティングがしっかりできるとどうなるか?
必要な相手を適切に選び、
自分の商品・サービスについて自信を持って相手に伝えることができるため
喋るのが苦手とかそういったことよりも、話の流れがスムーズです。

レベルの高い営業さんはきっと自然にそういうことができるんでしょうけど、
僕らクリエイターみたいな人たちは口下手な人が多かったり、
ここまで言ってもいいのかな?と謙虚な方が多いので
しっかりマーケティング意識を持って相手に「OK」と言わせるための
アプローチをデザインして欲しいと思います。

自分という商品・サービスがどういう状況でどういう伝え方をすれば生かすことができるのか?
そういったことも一つの大事な品質として考えることで
より自分のスキルを生かした仕事の獲得や、
無理のない営業ができるのじゃないでしょうか?

■クリエイターとお客のすれ違い

WebクリエイターはWebサイトを作ることを売りにしますが、
Webサイトを作りたい人は作ることが目的ではなく
Webサイトを作って”何かをしたい”はずなんですが、
多くのWebクリエイターは作るだけで相手の本来やりたいことをサポートする力を持っていない人が非常に多いです。

Webサイトの運用経験の無いWebクリエイターはどうでしょうか?
どうすればPVやコンバージョンが上がるのか、
どうすればお問合せに繋がるのか、どうすればそもそも人が集まるのかなど。

そういった意味である種Webサイトを作るとかデザインとかは「投資」なわけなんですが、目標が達成できるかどうか分からないものに対して多額の投資はやはりなかなかできませんよね?

海外旅行に行きたいのに、
もしかしたら行けないかもしれない旅行券なんて誰も欲しくありませんよね?

(もちろん中には作るだけが目的のものや、技術革新をネタにしたいものなどありますが…)

コンサルティングとかそういった仕事の人たちが稼ぎやすいのは
結果が出せるようにサポートしていけることが非常に強いかと思います。

僕のセミナーでも口酸っぱくいうてるのですが、
例えばイラストレーターがいたとして絵を描くことはできたとしても、
絵の活用を企業に提案するプロではないんですよね?w

「御社の事業を私の漫画で解説することでサイトの直帰率が減り、
また見てくれるユーザ層も広がるため今まで伝えきれなかった人に届き、市場の拡大に繋がることができます。」

なんてことを論理的にプレゼンできるイラストレーターとかほとんどいないんじゃないでしょうか?w

薬剤師マキの調剤なる日々」なんていい例ですよね。
イラストやストーリーを使った戦略で上手く見込み客を集めて薬剤師系のサイトに誘導してると思います。

■価格競争の仕組みを理解しよう

そんな感じでクリエイターは価値を作ることはできても、
その価値を伝えることができないことが非常に多いのが現状ですし、
それが逆にUSPも伝わらず、買い叩かれ価格競争に飲み込まれてしまいます。
(いうなれば誰でも良い案件しか受けることができなくなる)

そして日々色々な専門学校や大学、職業訓練校、趣味などで
Webサイト、デザイン、プログラム、イラストなど作れる人はどんどん増え続けています。

これだけ勉強できる情報や環境が整っていて毎年何万人も出来る人が増えていると考えるとそりゃー価格競争なんて自然に起こりますし、
探せば安くてもやりたい人がいてたり、クラウドソーシングで安くてもしたい人がでてきちゃうわけです。

自分と対クライアントの問題だと思いがちですが、
実は価格というのは市場で決まるものです。
こういった市場(マーケット)視点で自分を見つめるということも大事です。
誰かが安く受けると言うのであれば、こちらは高くても払う理由を作らなければなりません。

世の中の何千何万人というクリエイターというマーケットの会社や自分という意識を
持っておかないと自分がどういうレベルでどういうポジションでどういう強みなのかさえわからなくなってしまいます。

価格競争で悩んでいる人は多くの場合
そもそも競争が激しい場所で頑張っている可能性がありますので
もう少し冷静に考えてみては如何でしょうか?

高単価の案件が欲しい?
だったら地方に居るよりも東京に行ったらどうですか?

とか、

何十万もするようなセミナーの参加者交流会で繋がりを作ってみてはどうですか?

とか、

そこそこのお偉いさんが集まっている経営者コミュニティに参加したらどうですか?

とか方法はいくらでもあるわけです。
(もちろん、そこから受注につながるだけのアプローチの仕方も考えなければいけませんが…)

間違っても取引先がいきなり何倍もの単価の仕事を振ってくれることもなければ
たまたまあなたのところにレア級な高単価で良質なクライアントが
クラウドソーシングで繋がれるなんて可能性というは低いんじゃないでしょうか?w

■マーケティングで培って欲しいのは”商売人”意識

マーケティング思考をぜひクリエイターに手に入れて欲しいということで
長々と説明させて頂きましたが、
その上でぜひ持って欲しいのが「商売人」または「経営者」としての意識です。

別にお金大好き人間になれとは言いませんが、
お金、つまり対価を得るというのはそれだけの価値をお客さんに与えたということになります。

Web制作などは製造業ではなくサービス業です。
相手が感じたサービスに対してお金を払いたいという仕事なので
どうすれば相手に自分が求める対価を払ってもらえるだけの「価値」を感じてもらえるかを考えることは結果的に良いモノを作りたいというクリエイター思考と、
相手に良いモノと思ってもらいたいという価値を与えるマーケティング思考が役に立ちます。

外部のパートナー企業で育てているクリエイターさんや、
僕が大阪で有料会員制でサポートしているクリエイターさん達には
こういったマーケティング思考など様々なことを学んでいただいて
フリーランスとして独立支援だったり、将来ブランディングやコンサルティングができる攻めのクリエイターになれるようサポートしています。

作るクオリティで差別化するのは上の方に行くほど
正直もうプロの人間しか分からないレベルまできていると思います。
その中でどういった付加価値を提案できるか、
相手の理想をサポートできるか、夢を実現できるか、
そういった力が必要になってくると思いますが、
そのためにはマーケティングを始めとする様々なスキルが必要になり、
その上で自分のクリエイタースキルを最大限にレバレッジを効かせる必要があると僕は考えています。

あ、もちろんですが中身がないとリピートにならないので、
結局スキルも必要になりますが、よほどじゃないかぎり仕事を獲得して
ヒアリングして調整していけば失敗しないと思いますので
あくまで本来のクリエイタースキルを活かして欲しいという前提で書いた記事になります。

これを気に自分のスキルを生かすためにマーケティングをちょっと学んでみてはいかがでしょうか?

長文ですがお読み頂きありがとうございました!!

カッシー

この記事を面白かったという方は前回のフリーランスの将来の悩みは経営で解決できるかもって話もオススメです。

p.s.

フリーランスになりたい人に向けた有料会員制コミュニティを運営しています。ネット上で一般募集はしておりませんので、興味ある方はFacebookやTwitterでご連絡頂くかフリーランスセミナーにご参加くださいませ!!

さらにp.s.
この記事はまどマギの映画「叛逆の物語」を見に行ってソウルジェムが濁ってしまったので何かで浄化したくて勢いで書いた記事です。予想以上に長くなりましたwwwww

Bio

カッシー(樫本祐輝)

株式会社クリエイティブユニバース代表取締役。
クリエイターはもっと幸せになってもいいんだ!と「クリエイティブな人に幸せを」を理念に活動。

2017年に法人化。現在は事業戦略クリエイティブ・プロデューサーとしてコンサルや、クリエイター・フリーランスギルド「TheCreative」を主宰。大阪東京合わせて80人を超える。フリーランスカレッジ、クリエイター200人祭りなど主催。

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