主催者視点で見る #クリエイター祭り (OP動画の解説多め)

こんにちは、フリーランス・クリエイターの駆け込み寺カッシーです。

クリエイター祭りの主催者とOP映像を作ったクリエイターとしての視点でのお話をしたいと思います。

「クリエイター祭りとは?

今年で4回目となる大阪で開いているクリエイターのセミナー・交流イベントです。
運営は僕が主宰する有料ギルド「TheCreative」のメンバーで開催しています。

僕は運営責任者としてお金や責任を担う立場なのですが、
盛り上げてくれる実行委員長やスタッフなどはその年でその都度募ってメンバーを入れ代わり立ち代わりしながら開催し続けています。

とても大変なイベントなのですが
今のクリエイターやフリーランスを目指す人に大事なことを啓蒙したり
今後頑張ってほしい登壇者に目立って欲しい
メンバーにリモートワークやマーケティングなどを経験して欲しい

などなど本当に多くのことを学び伝えるためにこのイベントを開催し続けています。

このイベントが他のイベントと大きく違うのが「登壇者が有名じゃない」ということです。

普通のイベントであれば知名度があったりスキルが高い・凄い人などが登壇し、その方目当てに集客に繋げたりしますが、クリエイター支援という立場で考えると「そんな話聞いても○○さんだからできる」となってしまい、自分の行動に繋げれなかったりします。

そして僕がクリエイター支援をこれまで続けてきた経験上、そういった方の話ではなく、
「身近で一歩先を行けたばかりの話が一番納得して行動に繋がる」と確信しており、
そのためクリエイター祭りでは「みんなが悩んでることを一歩進んだ話」を基準に共感できるストーリーを持つ人を登壇者を選んでいます。

2018年の目標は「演出強化」「Twitterトレンド」

トレンド入りのために用意したフォトスポット「等身大ワカヤマくん」

昨年の第三回クリエイター祭りでようやく念願だった満席となりました。
イベントとして嬉しい限りですが、イベント開始して頑張って司会が盛り上げて空気を作ったり、多数決がトラブルもあったりして盛り上がらなかったりとちょっと不完全燃焼。

そんなことを感じつつイベントが終了したのですが、終わった後Twitterのハッシュタグで参加者の方がものすごく盛り上がってくれて、「あ、これは来年ちゃんとやったらもっと凄いことになるかも!?」とすでにこの時にトレンド入りの可能性を感じていました。

そして「演出」ですが、
昨年AdobeMAXに参加してOP演出に感激したり、
会社の設立パーティでOTAS.TVの佐藤さんにご登壇頂いたり、
初音ミクのライブ(マジカルミライ2018)にいったり、
動画機材の会社をコンサルしたりと何かと動画に縁もありました。

「オープニング動画で一気に盛り上げてTwitterのトレンド入りを目指す!」

これを今年の目標に掲げ、スタッフも募り実行委員会を発足させました。
会場も僕の一存で2年続けたハルカスを辞めてブリーゼブリーゼに決めました。

このイベントでは今目立たせたいクリエイターを登壇してもらったりと世の中への発射台のような意味も込めていますので、登壇者には最高の環境を用意したいという意図もあります。

実際の様子はこんな感じ

これまでの「会議室」では天井が低い、後ろの方の人は登壇者やスライドが見えないなど悩みも多かったので今回思い切って「ホール」という選択をしました。

イベント開催としては4回目ですが、
僕自身も毎回立場や役割が違ったりしますので慣れてるとはいえ、目が届かないことも多く大変でした。

「慣れてるから」
「経験値が高いから」

だけではちょっとカバーしきれない規模なイベントだと今回も改めて感じました。

苦渋の決断

今回、会場が新しくなったことで負担が想像以上に増えました。
机や椅子の配置をどうするか?
会場の仕様はどうなのか?
この備品いるのか?
軽食で交流会ができるのか?
参加費いくらだったらマイナスにならないか?

たくさんの確認が必要になりイベントチームにはご迷惑おかけしたと思います。

当初予算の関係から午後から借りていたのですが、
開場前1時間ですべての準備を滞りなくできるか?という課題があり、

・・・色々と不安だな。

事前準備してたらなんとかいけるかもしれないけど・・・
できたら会場でリハもしたいな・・・うーん

午前枠をリハ用に借りた場合の見積もりを見ると、200人集まってもほぼ赤字・・・・

・・・うん、腹をくくろう!

ということで午前も借りる(備品追加料金を含むと+14〜15万円)ことを決断し、ダメ元で一応窓口は作っておいたスポンサー募集に力を入れはじめました。

すると結果としてスポンサーが集まりまして(驚!)
少し余裕ができたので等身大パネルを作ったりも実現することができました!

各種スポンサーの皆様には感謝でいっぱいです。
(ただし、突然スポンサーが集まったことで今度はLPの更新にクリエイティブチームがひぃひぃいうてしまいました。すみません。。。)

今回スポンサーとして協力いただいた方々

<ゴールド>

瀬川企画

<シルバー>

堂島Reqree

<ブロンズ>

MOOCRES

飯田 麻紀子 様(フリーランス イベントMC/司会等)

<メディアスポンサー>

動画つくーる
wizco
ひらば
炎寺ニアちゃんのプログラマー登竜門
フリーランス協会
Think IT
MdN

最後に駆け足で募ったこともあり、一つスポンサーチームってあってもいいなと思うほど大忙し!(営業、チラシの手配、各種連絡などなど・・・)

来年はここをスムーズに段取り組みたいと思っています。

Adobe AfterEffectsでオープニング映像を作りたい!

僕の会社の設立パーティで僕が最も会いたかったクリエイター「OTAS.TV 佐藤さん」にご講演頂いた際に「映像で人を魅了する凄さ」を体験しました。

佐藤さんはこの記事を執筆してる現在Adobe AfterEffects 2019の扉絵に作品が採用されています。

どれだけ凄いかは佐藤さんの作品をご覧ください・・・

久々に衝撃を受けました。
(そらまぁ自分がクリエイターとして一番尊敬してる方なので・・・)

こんなの人が作れると知ったら映像作ってみたい!!!!って思ってしまうのがクリエイターの性(方向性はぜんぜん違うけどw)

動画はYouTuberやvTuberを始め、動画広告などWebやマーケティングの仕事をしていてる立場としても無視できない存在となっています。

せっかくAdobeCCにAfterEffects(みんなアフターエフェクトって読んでるけど、正しくはアフターエフェクツ)など動画に関するソフトがあるので使いこなしたいなーと思っていました。

ちょうど2018年春頃に、知り合いが始めたサッカークラブの選手紹介動画を最低限の知識で作ったのをキッカケにちゃんと学びたいと思っての今回のクリエイター祭りOP動画が2作目となります。

(ごめんなさい、映像には過去の開催風景など含め色々な人が写っているので全部Versionを公開予定は無いです)

動画の達成すべき目的

なにはともあれクリエイティブはまずはコンセプトから。
今回達成すべき要件は次のとおりでした。

・クリエイター祭りの趣旨を伝える
・面白いイベントに来たなと感じてもらう
・スタッフも凄いイベントに関わったなと感じてもらう
・クリエイティブチームに作ってもらった素材を活かす
・企業のPR感ではなく、ちゃんとクリエイターが考えて作った感を伝える
・テンション上げて司会につなげる

これらを元に曲や演出を考えて構成を作っていきました。

映像の制作作業をしたのは最後の一週間ほどですが、おおよその構成(絵コンテ?)自体は一ヶ月前には作っていました。

使用した素材・テンプレ・プラグインとかもろもろ

・何のエフェクト使えば良いのかすごく勉強に役に立った「モーション周期表
・AfterEffects有料プラグイン STARDUST
・各種AfterEffectsのエフェクト
→TheCreativeロゴを線が這う演出は「ベガス」

→ワカヤマくんが横にこすれるノイズは「タービュレントディスプレイス」

・ワカヤマくんの歯がキラーんは「レンズフレア」※背景の黄色い光はSTARDUSTのプリセット

・過去映像から準備映像の光るような切り替えは「グロー」

・人紹介のカッコいい演出のベースはShutterstockで無料配布されていたテンプレ↓

CreativeUniverseのロゴは3Dレイヤーで回転させています。

あとはリハ時に撮影した映像を使ったりもしました。一眼ミラーレスで撮影したので背景ガッツリボケています。

・BGMは有料素材でenvato market AudioJungleより下記を採用

作業時間の3割ぐらい時間費やした「光」

今回それほど難しいことしてないし、素材を組み合わせて使っているので大したことしてないのですが今回唯一こだわって一から作ったのがこの光の演出処理

STARDUSTでパーティクルの超最小の状態から頑張って作りました。
英語の意味がわからないものはひたすら触って効果を確かめまくりながら進めました。

これを作ろうと思ったは、初音ミクのライブで見た演出を見ていて、「うわぁこれ自分でも作りたい!」と思ったのがキッカケです。ちょっとわかりにくいですけどそのシーンが一部だけ公開されています。(曲が始まる前のイントロ演出の背景)

これを作れそうなやつを探した結果、プロが使うTrapcodeは時間無いし、僕みたいな趣味レベルには届かない金額なので、もう少し安価なSTARDUSTで見よう見まね挑戦したところどうにかできました。

結果的に見よう見まねで作ったのが下記の映像(これ作るのに平日一日徹夜した・・・)

これを元に下記の部分を作りました。

ロゴが光るのは、手作業だと大変だったのでAfterEffectsの「エクスプレッション」と呼ばれるちょっとしたプログラムを書けるやつで「オーディオ振幅」を取得してグロー>グロー強度に反映させるようにしています。サンプルソース↓

thisComp.layer(“オーディオ振幅”).effect(“両方のチャンネル”)(“スライダー”)/200;

参考:音の大きさ(振幅)に合わせて、素材を動かす その1

このタイトルがでてきながら、後ろのカーテンが空いて光が入ってきて、司会が壇上にあがったら拍手されたことが超絶嬉しかったですw

動画流れながら後ろの光が入ってくる図

次に必要なのは音響に関する知識

今回反省点だったのが、リハ時では問題なかったのにいざ本番思ったより音が小さく聞こえたので、音量を上げたかったけど、重低音が限界なのかスピーカーが割れ始めてたので思ったよりも音量大きくできなかったこと。

あとで詳しい人に聞いたら、人が多いと服が吸音材の役目を果たして2-3割減するとか。
また、重低音が強い曲を選んでしまったためにスピーカーが割れてしまうので、事前にわかっていたら重低音だけ調整してた。

これは再生しながら本当に悔しかった。
自分の持てる知識では至らないところだったので音の知識が必要だなと感じました。

今回音関係で導入した音関係いろいろ

・物理ボリュームがほしかったので「M-TRACK 2X2M」を購入。

本来であればマイクやギターやMIDIキーボードの入力などもできるやつ。今後Youtube配信とかすることも多そうなので購入。

・Googleスライドに効果音つけたいが、Macを触りたくないので「AKAI MPD218」を購入

http://akai-pro.jp/mpd218/

Keynoteやパワポと違ってGoogleスライドは現状音を追加できないので、物理インタフェースで音を鳴らせれるように購入。

・付属でついていた「Ableton Live 10」のLite版でBGMや効果音を一括管理

先程のMPD218とこのソフトを連動して、このループBGMの音量管理はこのツマミ、このボタン押したらこの音がでるなど音演出系の音を集約。

途中で更新辞めたので最終版じゃないけど、会場の機材をこんなふうに設計してたりしました。

意外と良かったのが、スライドと同じ画面を登壇者の足元にHDMIの分配器を使って用意したこと。思いつきだったけど、わざわざ登壇者がスクリーンを覗かずに済むのでわずかな時間ですが塵も積もればなので用意してよかったです。

あとは、音関係ないけどなるべく切り替えの時間を減らすために全員のKeynoteを一つのデータに集約。デザイン凝ったスライドや映像もあったのでトータル600MB近い容量になりました・・・

AfterEffectsもこの機材関係もただひたすら「良いイベントにしたい」という気持ちの一心で勉強してどうにかしました。

スタッフのイラストレーターのHaijiさんがイベント終わった後に「カッシーさんの創って解決するっていう姿がクリエイターらしい」みたいなことを言われてちょっとなるほどーと思いました。(あまり普段クリエイターらしいことしてないのでw)

どうして200人規模のイベントが開催できるのか?

クリエイター祭りは本当にスタッフ一人一人の時間を集結して開催しているイベントです。

スタッフはみんなTheCreativeのギルドメンバーなんですが、
これはものすごく大きくて、僕らは普段からファシリテーション(1対多の空気作り・コミュニケーションスキル)やイベント開催、人前でしゃべる経験、数字を計算するなどクリエイターがフリーランスや副業していく上で身につけておいたほうが良いスキルや経験を日々学んでいただいています。

スタッフの大半が小規模ながらもイベント経験者であるので臨機応変な対応ができたり、
スタッフもみなクリエイターへの理解があるのでこの規模のイベントが作り上げれるのです。

登壇者はどうやって選ぶのか?

このイベントはある意味僕らがやっている「クリエイター支援」の研究の成果発表のような意味も兼ねています。

TheCreative内ではアウトプットをするためのワークとして、やりたいをやったに変えるための「3ヶ月アワード」というのが毎年あります。今年は4月〜6月が対象期間でした。

登壇者のメンバーは自分の経験やチャレンジしたこと、失敗したこと、学びなどを5分間プレゼンします。

2018年はとてもワーク参加者が多く、39人でトータル195分(5分x39人)の発表がありました。

もはや長編映画並・・・
内部イベントなのに審査員も合わせると50人クラスと大変です(苦笑

その後、7月にクリエイター祭りの実行委員会を発足しスタッフミーティングで発表者の中から登壇者を選出しています。

(※もちろん、告知した4/21(仮)の東京開催の登壇者も現在決めるべく東京TheCreativeで3ヶ月アワード実施中です)

クリエイター祭りで多くのクリエイターに伝えたいこと

主催者挨拶でも話させていただきましたが、
今クリエイター業界は低収入かつハードな労働環境など正直好きなことを仕事にはできるけど、
将来夢があるような職業とは言い難いものがあります。

技術として先輩たちを尊敬できても、収入ランキングとしては下から数えたほうが早いような職業でクリエイター業界としてはなかなか苦しい世界です。

そんな中、ライフスタイルや価値観の大事さを伝えるこのイベントを開催しているのは、もっともっと多くのクリエイターの方々が自分の頭でしっかりと考え、自分たちで業界や働き方、仕事を創っていく立場になっていかなければ、ずぅーーっと単価や立場が低かったり、やりたいことが叶えられなかったりします。僕は才能はあるにもかかわらず、健康や収入に悩んでいるクリエイターと数多く接してきました。

だからこそ、クリエイター祭りに参加してくださった方には、
今までの先輩たちがどうしていたのか?
今自分がやっていることは本当に間違ってないのか?
これから新しい道をどうすれば創っていけるのか?

このように、自分の人生を創る視点を皆さんにはぜひ持って欲しいと考え、みんなで頑張ってこのイベントを開催しています。

経験がない?
人脈がない?
お金がない?

無いなら創ればいいじゃないか。
クリエイターだったら自分の道すら創りだしてしまおう。

そういう気持ちを持ってこれからの一歩を進んでもらうために
このイベントで学び、気づいたことが一人一人の進む勇気になってくれたらなと思います。

Creative Happy Life

幸せな人生は、己で作れ。

イベントへのご参加、本当にご応援ありがとうございました。

カッシー

p.s. クリエイター祭りに関わりたい方は2013年より活動している有料招待制ギルド「TheCreative」に加入していただきます。もしもイベント・マーケティング・チームビルディング・フリーランスのノウハウなど学びたい方はご連絡くださいませ。

次は東京へ

僕がやっているTheCreativeは東京にもありまして、またぜんぜん違うメンバーで東京で春(暫定4/21予定)開催しますのでお楽しみに!!!!

Bio

カッシー(樫本祐輝)

株式会社クリエイティブユニバース代表取締役。
クリエイターはもっと幸せになってもいいんだ!と「クリエイティブな人に幸せを」を理念に活動。

2017年に法人化。現在は事業戦略クリエイティブ・プロデューサーとしてコンサルや、クリエイター・フリーランスギルド「TheCreative」を主宰。大阪東京合わせて80人を超える。フリーランスカレッジ、クリエイター200人祭りなど主催。

クリエイターで個人で稼ぎたい人へ

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